アセンブリ命令とレジスタ等の役割
*命令*
・mov dest, src
移動した後もsrcオペランドの値は残る
・lea dest, src
lea命令は、srcオペランドのアドレスを計算し、そのアドレスをdestオペレンドにロードする
lea eax,[esp+0x40]のように、変位などを含めたアドレス計算をする(この場合スタックポインタを指すアドレスから変位の0x40を加えた位置のアドレスが、eaxに格納される)
・xchg dest1, dest2
・lodsb
lodsb命令は、[DS:ESI]のメモリの内容を、BYTE、すなわち1バイト分、ALレジスタに読み込む
lodsw命令は、WORDの2バイト分、AXレジスタに読み込む
lodsd命令は、DWORDの4バイト分、EAXレジスタに読み込む
メモリの値を決まったバイト数ずつ処理する場合に用いられ、文字列処理などでよく使う
・stosb
stosb命令は、lodsb命令の反対でALレジスタの値を、[ES:ESI]のメモリに書き込む
・push src
push命令はargオペランドの値をスタックにpushする(32bitでは4バイト、64bitでは8バイト)
ESPレジスタの指すスタックのトップに格納する
・pop dest
スタックからargオペランドへpopする
加算する
・add dest, src sub dest, src
sub命令はこの減算バージョン
・mul
・div src
・inc dest dec dest
inc命令とdec命令は、それぞれ、destオペランドの値を1加算/減算する
・cmp src1, src2
cmp命令はsub命令と同じだが、結果はオペランドに格納されず、破棄される
目的は、フラグレジスタの値を条件によって変化させること
・shr/shl dest, count
結果はdestオペランドへ格納される
・ror/rol dest, count
結果は結果はdestオペランドに格納される
・xor dest, src
レジスタを0で初期化する際によく使われる
・test src1,src2
cmp命令と同じく、結果は破棄され、フラグレジスタの変化が主な目的
・jmp arg
jmp命令は実行をargオペランドへ分岐させる
フラグレジスタを参照して、条件が満たされた時のみ分岐する条件分岐命令もある
JE命令(Jump if equal) JZ命令(Jump if zero):ZF=1の時に分岐
JNE命令(Jump in not equal) JNZ命令(Jump if not zero):ZF=0の時に分岐
JG命令(Jump if greater):ZF=0かつSF=OFの時に分岐
JL命令(Jump if less):SF<>OFの時に分岐
・ret命令
callと対になる命令で、callされた関数の終わりに、call元の次のアドレスへと実行を戻すための命令
・call arg
call命令は、jmp命令と同様に、実行をargオペランドへと分岐させる
ret命令で戻ってこれるようにcall命令の次の命令のアドレスを、戻り先のアドレスとしてスタックに保存する
・leave
leave命令は、データ転送命令だが、ret命令とセットで使われることが多い
この命令は、関数の最後、ret命令の前に呼び出され、スタックポインタをベースポインタと同じ位置に戻し、
スタック上に保存していた呼び出し元の関数のスタックフレームでのベースポインタを復元する
*レジスタ*
・EAX(アキュムレータレジスタ):演算の結果を格納する
・ECX(カウンタレジスタ):ループの回数などのカウントを格納する
・EDX(データレジスタ):演算に用いるデータを格納する
・EBX(ベースレジスタ):アドレスのベース値を格納する
・ESI(ソースインデックスレジスタ):一部のデータ転送命令において、データの送信元を格納する
・EDI(デスティネーションインデックスレジスタ):一部のデータ転送命令において、データの転送先を格納する
・ESP(スタックポインタレジスタ):現在のスタックトップのアドレスを保持する(スタックポインタともいう)
*フラグ*
・CF(キャリーフラグ):演算命令でキャリー(桁上がり)かボロー(桁借り)が発生した時にセットされる
・ZF(ゼロフラグ):操作の結果が0になった場合にセットされる
・SF(符号フラグ):操作の結果が負となった場合にセットされる
・DF(方向フラグ):ストリームの方向を制御する
・OF(オーバーフローフラグ):符号付き算術演算の結果がレジスタの格納可能範囲を超えた場合にセットされる
*レグメントレジスタ*
・CS(コードセグメントレジスタ):コードセグメントのアドレスを格納する
・DS(データセグメントレジスタ):データセグメントのアドレスを格納する
・SS(スタックセグメントレジスタ):スタックセグメントのアドレスを格納する
・ES(エクストラセグメントレジスタ):エクストラセグメントの(追加セグメント)のアドレスを格納する
・FS(Fセグメントレジスタ):Fセグメント(2つめの追加セグメント)のアドレスを格納する
・GS(Gセグメントレジスタ):Gセグメント(3つめの追加セグメント)のアドレスを格納する
・DWORD PTR
これは対象の値(やレジスタ)を何バイトとして扱うか、ということを修飾する
DWORDは4バイト、WORDは2バイト、BYTEは1バイト
レジスタは何バイトなのか明示する必要がある
・callしたら次の命令の番地をスタックに積んで戻るべき場所を記録しておく
・plt(プログラムリンケージテーブル)とは、共有ライブラリから呼び出される個々の関数は、それぞれのエントリをPLTに持っていて、静的にリンクされるので直接呼び出される